セックス·フレンド【完結】
「詩織…」


さすがのあたしもはっとした。


なんてことをしてしまったのだろう。


自分を心配し、病院にまで付き添ってくれた友達を突き飛ばしてしまうだなんて…。


「ご、ごめん。大丈夫?」

オロオロするあたしから、詩織は、ばくりと携帯を取り上げると、強く壁に投げつけた。


「いい加減にしなさい!」

一連の詩織の行動に、あたしは唖然とする。


詩織は、とうとう不満を爆発させた。


「事情!?えぇ、そうね。事情はあったわ。本当ならこれは美杉には言わないつもりだった。でも、美杉も知ったほうがいいわね。竹内さん、妊娠してるのよ!だから2人は結婚するの!」


「…はっ?」


耳を疑った。


妊娠している?
誰が?
竹内ミキが?
隆也の子供を?


吐き出してから、詩織は、はっとしたように口をつぐんだ。


でも、もう遅かった。


がくりと床に座り込んだあたしに、詩織が慌てて駆け寄った。
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