セックス·フレンド【完結】
「危ない!」


とっさに、西村君があたしの体を支えた。


だめだ、とても歩けそうもない。


体中の力が抜け落ちていくのを感じ、あたしは、しばらく西村君の腕の中に身を委ねた。


あたしを支える西村君の腕に力がこもる。


その手を振り払おうとしたけど、できなかった。


温かかったのだ、とても。


誰かの腕の中にいることはこんなにも安らぐのか。


でも…。


そこで、あたしは、また余計なことを考えてしまった。


隆也の腕の中は、もっと暖かかった。


暖かく、強く、広かった、と。
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