セックス·フレンド【完結】
歪んでいた景色の焦点がようやく合い始め、気分が落ち着くと、あたしは口を開いた。


「何も、聞かないんだね」

「何もって?」


「元気?とか、最近どう?とかさ」


「見るからに、元気そうじゃないもの」


運転しながら、西村君が苦笑いを浮かべた。


結局、家まで、西村君に送ってもらうことになった。


彼の車の中に、ポツポツと見当たる女の子の名残。

ミラーに増えたプリクラ。


花田さんの物らしき私物たち。


二人の交際は順調のようだ。
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