セックス·フレンド【完結】
当たり障りのない会話をしながら、間もなく家につこうとした時、あたしは、突然、何もかも話してしまいたい衝動にかられた。


相手が西村君だからか、それとも、誰かに聞いて欲しかったのかはわからない。


でも、どうしても吐き出したくなった。



「西村君…」


「なに?」


「実はね、あたしね…」



そのくせ、話そうとすれば、胸に石を乗せたみたいな圧迫感を感じた。



「あたし、隆也と…」


「ちょっと、待って」


西村君は重苦しい雰囲気を察したように苦い顔をした。


近くの空き地するすると車を滑らせ、そして、あたしを真っ直ぐに見つめる。



それを合図に、あたしは、何かにとりつかれたみたいに、今日までの出来事を話していた。



一度話し始めると止まらなかった。


息をするのさえ忘れて、夢中で話し続けた。
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