セックス·フレンド【完結】
しばらくあたしは、主役の二人を、少し離れた所から石像みたいに固まって眺めるしかできなかった。


隆也は、時折、身重の竹内ミキを気遣うように何か囁きかけている。



招待客に挨拶している合間に、横目で何度も竹内ミキを盗み見ている。


まるで、愛おしくてたまらないというように…。

完敗だと思った。


敗北感でいっぱいだった。


隆也は、あんな目であたしを見たことがない。


あたしは、負けたのだ。

隆也は竹内ミキを選んだ。


認めざるを得なかった。
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