セックス·フレンド【完結】
やがて、招待客が会場の中へ入ってしまうと、会場の扉が閉じられ、入場の準備が始まった。


あたしの体が、ゆっくりと動き始める。


先導するホテルマンの説明に耳を傾ける二人の後ろ姿に、一歩、また、一歩と近づいていく。


彼らまで、あと五メートルと離れていない。


柔らかな絨毯を、ゆっくりと踏みしめながら、その距離を縮めていく。


一歩、また一歩。



隆也と竹内ミキが手を取り合うのを確認すると、いよいよ、会場のドアが開いた。


「新郎·新婦の入場です」


司会者の甲高い声に続き、割れるような大きな拍手。


スポットライトが眩しくて、あたしは目を細めた。


その時、隆也がゆっくりとこちらを振り向いた…。
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