セックス·フレンド【完結】
隠れて眺めた試合で、隆也は、絶好調だった。


次々と勝ち進み、とうとう決勝戦まで登りつめた。


隆也がどれだけ努力をしていたかを身近で見ていたあたしは、彼の活躍を心から喜んだ。


鬼気迫る隆也を見ているうちに、その日だけは、彼の迷惑になるような行動をとるのはよそうと思えた。


あたしにも、まだ冷静な部分が残っていたのだ。

そしたら、決勝戦の前に、一言だけ伝えたくなった。


頑張って。


そう一言だけ。


あたしは、隆也が一人きりになるチャンスを伺った。


そして、そのチャンスが訪れた。
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