セックス·フレンド【完結】
騒動に気づいた隆也は、顔を青くした。


あたしを引き倒したカズサが馬乗りになって頬をひっぱたく。


「あなた、今日がどんな日かわかってるの?大事な試合なのよ!」


「わかってるわよ!だから、ただ一言言いたかっただけじゃない!頑張ってって。それくらいいいでしょう?」


負けじと、あたしもカズサに食ってかかる。


「よかないわよ!今すぐ出て行きなさい!目障りなの」


「偉そうに言わないで!あんた、隆也の何?」


「そうゆうあんたこそ、とっくに振られてるくせに」


「やめてよ!隆也、助けて」


あたしとカズサは取っ組み合いながら互いを罵るという醜い争いを公衆の面前で繰り広げた。


そのうち、ロビーには野次馬が集まり、辺りは騒然となった。


隆也は頭を抱え、その場にうずくまってしまった。


こんな女殺してやる。


本気でそう思った次の瞬間、あたしはカズサの首に思い切り爪をたてていた。


ぎゃぁ!一段と大きな悲鳴をあげ、カズサがフロアで身悶える。


床に、ポタポタと鮮血が滴った。


その時、とうとう隆也の堪忍袋の緒が切れた。
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