セックス·フレンド【完結】
全てを聞いたうえで、それでもあたしは隆也を受け入れた。


むしろ、誘ったのは、あたしのほうだ。


「だったら、してみる?」


そう聞いたあたしに、「そんなつもりじゃなかった」と隆也は否定した。

あたしからキスをした。

隆也の弱い耳たぶを噛んだ。


口では否定しておきながら、でも、やっぱり欲求には勝てなかったのだろう。


隆也はあたしを抱いた。

それが、あたしたちの新たな関係の始まりだった。


セックスフレンド。


あたしは好きを偽り、よき理解者として、彼のそばにいることを選んだ。


その昔、隆也がそうしてくれたように、あたしは、彼の全てを許し、受け入れようと決めた。
< 44 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop