セックス·フレンド【完結】
4
夏が終わり、秋になった。
あたしと隆也は、相変わらず、月に一度か二度、ホテルで会うだけの付き合いだけれど、それでも少しだけ、関係に変化が訪れていた。
セックスの最中、隆也があたしに「好きだ」と囁くようになったのだ。
初めてそう言われた時は、幻聴ではないかと耳を疑ったけれど、確かに彼はあたしを「好き」だと言った。「特別な存在」とも。
あたしは、遠慮がちに「ありがとう」と答えた。
「好き」だと返せば、隆也が離れていく。
そんな気がしたのだ。
せっかく実った小さな果実を、色づく前に、自らの手でもぎ取るようなことだけはしたくなかった。
あたしと隆也は、相変わらず、月に一度か二度、ホテルで会うだけの付き合いだけれど、それでも少しだけ、関係に変化が訪れていた。
セックスの最中、隆也があたしに「好きだ」と囁くようになったのだ。
初めてそう言われた時は、幻聴ではないかと耳を疑ったけれど、確かに彼はあたしを「好き」だと言った。「特別な存在」とも。
あたしは、遠慮がちに「ありがとう」と答えた。
「好き」だと返せば、隆也が離れていく。
そんな気がしたのだ。
せっかく実った小さな果実を、色づく前に、自らの手でもぎ取るようなことだけはしたくなかった。