セックス·フレンド【完結】
「1つ年下で、元は自動車メーカーに努めてた、ミキって名前の子?」


ようやく本題を切り出すと、詩織は不思議そうな声を出した。


「そう。詩織知らないかと思って」


実は、詩織は、隆也の恋人と同じメーカーの携帯ショップで働いている。


だから、もしかしたら知っているのではと思い、それで電話したのだ。


「竹内さんかなぁ?」


自信なさげに詩織は答えた。


「私の知る限り、ミキって子は三人いるんだけど、1人は同じ駅前店にいる竹内さんで、もう1人は電気屋さんにいる山田ミキちゃん。あと1人はおばさんだし…。山田のほうは同期だから、多分竹内だよ」



しかも、詩織と同じ場所で働いている。


この幸運なのか不運なのかわからない偶然に、あたしの胸は高鳴った。


「その竹内さんて、どんな子?」


「え?どんなって普通だよ。さばさばしててショートカットで、スポーツ少女って感じ。そういえば陸上やってたって聞いたことある」


ビンゴだ。


「でも、どうして?」


「実はね…」


そこで、ようやくあたしは、【隆也とあたしの今の関係】を詩織に説明した。
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