0の楽園
日下部迷夢の言っている事、
正確には思っている事が
まぁだいたい分かってしまうのは
長年、こいつと一緒にいたからだろう。
そんなの全然嬉しくない
こんな特技はなんの役にも立たないわけで
むしろそのせいでクラスでは
俺は日下部迷夢の通訳だとか言われて
無責任な新米教師は凄いわねなんて
よくもまぁ他人事だと
言いきったもんだ。
「啓太?」
「ん?」
考える事が面倒くさくなったのと
日下部迷夢の声に反応したのとで
今まで回想に浸っていた頭が
現在というくくりの中に戻ってきた。
なんていうかドアの前で
鍵を開けてもらうのを待っている
日下部迷夢は普通に可愛い。
うん、だから何もしなければ
彼女はそんじょそこらの
厚化粧の女子高生より
すっぴんで圧勝するわけだ。
まぁほかの部分でも圧勝することは
確かだが。
「お腹すいた。」
リビングに入るなり
ソファにダイブして俺を見上げてくる。
だぼだぼの男子用の制服を着た女子高生
なんかエロいななんて一般的な感想を一つ
「とりあえず、俺の制服脱げ。」
「…脱いでいいんだ?」
わざと意味をふくらませて
何やらたくらみ顔の彼女。
こういう時の彼女は
何をしようとしているのかが
手に取るように分かるから嫌だ。
「じ、自分の服着ろよ。」
「つまんない。」
さっきまでの表情は
コロッと抜け落ち冷たい表情に変わる
感情の欠落したというか
そもそも欠落する感情を持ち合わせていない
空虚の言葉に一瞬悪寒が走ったような錯覚がする。
息をのんで、彼女を見つめる。
ソファから立ち上がり
部屋を出ていく彼女の背中を見つめる。
いや、見つめているのではない
目が離せないだけだ。
正確には思っている事が
まぁだいたい分かってしまうのは
長年、こいつと一緒にいたからだろう。
そんなの全然嬉しくない
こんな特技はなんの役にも立たないわけで
むしろそのせいでクラスでは
俺は日下部迷夢の通訳だとか言われて
無責任な新米教師は凄いわねなんて
よくもまぁ他人事だと
言いきったもんだ。
「啓太?」
「ん?」
考える事が面倒くさくなったのと
日下部迷夢の声に反応したのとで
今まで回想に浸っていた頭が
現在というくくりの中に戻ってきた。
なんていうかドアの前で
鍵を開けてもらうのを待っている
日下部迷夢は普通に可愛い。
うん、だから何もしなければ
彼女はそんじょそこらの
厚化粧の女子高生より
すっぴんで圧勝するわけだ。
まぁほかの部分でも圧勝することは
確かだが。
「お腹すいた。」
リビングに入るなり
ソファにダイブして俺を見上げてくる。
だぼだぼの男子用の制服を着た女子高生
なんかエロいななんて一般的な感想を一つ
「とりあえず、俺の制服脱げ。」
「…脱いでいいんだ?」
わざと意味をふくらませて
何やらたくらみ顔の彼女。
こういう時の彼女は
何をしようとしているのかが
手に取るように分かるから嫌だ。
「じ、自分の服着ろよ。」
「つまんない。」
さっきまでの表情は
コロッと抜け落ち冷たい表情に変わる
感情の欠落したというか
そもそも欠落する感情を持ち合わせていない
空虚の言葉に一瞬悪寒が走ったような錯覚がする。
息をのんで、彼女を見つめる。
ソファから立ち上がり
部屋を出ていく彼女の背中を見つめる。
いや、見つめているのではない
目が離せないだけだ。