虹愛女学院前編
06
「か、かかかかか…河上!?」
私はビックリして立ち上がり、そのまま後ろに後退りした。
「たしかに俺は河上だけど…って椿か!?」
河上も驚いたような顔をして私を見た。
確かに虹愛女学院二年三組担任の河上一だ。
でもなんか大人っぽい。
ワイルドな髪型が少し落ち着いて、さらさらしてそう。
口調もやさしかったし…。
「あのぉ…河上一先生ですが?虹愛女学院の。」
河上は少し考えて
「あぁ。今はもう教師は辞めたけどな。」
「辞めた!?」
嫌々、
「私まだ現役で先生から授業受けてましたよ!」
私がそう力説すると河上はばか笑いをした。