桜琳学園(仮)
「怖くないよ、…綾那だって解っていれば…、怖くない
でも、急に触れられたら……ごめん、拒否…しちゃうかも」
下を向いて、右手で作った拳を左手で握りしめ答えた
その答えを聞いた綾那はガバッと顔を上げて
"なら!!"と手を叩いた
「私と車イス、練習しよ?
私ね、上手いんだよ?サポート!!」
イスから立ち上がって
私の座っているベッドに座り直し
私の身体を横からギューッと抱き締めながらこう言ったんだ
「私は離れたりなんかしない、
どんなにレイに拒否されたって…
どんなに離してって言ったって、絶対」
震える声で泣いているんだと知った
でも、私は返事を返すことが出来なかった
私も泣いていたから
どんなに堪えていても、声を出したら…、
口を開いたら…
それだけで声を上げて大泣きしてしまう自信があった
「綾那…、一緒に…っ、戦って下さいっ」
どんなに押し殺しながら話しても
声の震えを抑えることは叶わなかった
そんな私の訴えに
綾那も声を発することが出来ないのか
首を何度も縦に振るだけだった