桜琳学園(仮)
横開きの扉一枚で仕切られている自室に戻り
相棒からベッドに移る
淡い水色の車イス
この淡い感じが
プカプカと雲が浮かんでいる晴れた青空みたいにキレイで
私は"ソラ"と呼んでいる
一生使うものだからと
お母さんがムリをして買ってくれた
大切な"相棒"
どこに行くのも一緒
今じゃ身体の一部のような気さえする
そういえば、私が行くことになった学校
『桜琳学園』
めちゃくちゃ有名な私立高校らしいんだ
お金持ち学校って
元々行く気なんかこれっぽっちもなかった
公立高校の滑り止め
というより
公立を受けるにあたって
お母さんが出した条件の学校
"公立はあなたが決めていいけど
私立は桜琳学園にしてほしいの"
それが条件
まぁ受けるだけならと
軽い気持ちで志願し受験してみたら
見事合格しちゃった場所
まぁ、お金持ち学校だからって
ただお金があれば入れるわけじゃなくて
頭も良くないとダメらしい
逆に頭良くて品行方正なら
特待生として入ることも可能らしいけど
私、大丈夫か?
そんな学校行って…
なーんて考え続けて
気づけば春休みも終盤を迎えていた