桜琳学園(仮)
何を言い出すのかとおもえば…
これは笑い話だろうか
「15年間一度も会うことのなかった人が何言ってるんですか?」
あざ笑いながら言ってやる
「失礼ながら
勇也さまが亡くなられてから、毎日のように桜さまにお話されていました」
今まで黙って立っていた男が口を開いた
「今回漸く、桜さまからお許しを頂き
参らせて頂いた次だ…」
「竹中、もういい」
「失礼致しました」
事務的な話し方をする男-竹中の言葉を遮った近江は
”すまない、気にしないでくれ”
と言い苦笑した
「ここまで待ったんだ
麗羅、君が納得してくれるまで粘るつもりだよ」
ずずっと音を立ててお茶を飲みながら目線だけを近江に向けて聞いていた
「残念ですけど、私今春から家を出るんです
あなたと関わる気は全くありませんので
お帰りください」
静かに、しかしはっきりと言い放ち
“足“を動かしてリビングの扉を開けた