桜琳学園(仮)
お父さんは駆け落ちをした後もほぼ毎日のように近江のとこに訪れていたらしい
それが急になくなって、心配した近江はお母さんに連絡を取ったということだ
近江はその時には認めていたらしいが
私を“おろせ“と言ったことでお母さんが近江との対面を拒んでいたのだ
なぜ今になって許したのか…
「いやー、根負けしちゃった」
「……。」
おちゃめに言うお母さんにもう何も言えなかった
「あのね、お父さん…近江からは毎月30万ずつ振り込まれていたの」
少しの沈黙が続いた後
聞こえてきたのはお母さんのそんな言葉だった
ん…?30万?毎月…?
……でも、
「お母さん、倒れそうなくらい仕事してたよね?」
そんな母を見て幼心に
迷惑をかけちゃ、
我が儘を言っちゃいけないと思っていたのだから…
「あーあれね、ムカついちゃって」
笑いながらも言葉を続け、
「だって腹立つじゃない?私だってそれくらい稼げるんだって…ちゃんと私だけの力でレイを育てていけるんだって
思い知らせたくて
それに
お金使ったら負けを認めたみたいでイヤだったの」