桜琳学園(仮)


「はー…」

自室で布団に埋もれながらため息をひとつ…
この短時間でいろんなことがありすぎて
ほんとに現実逃避をしたくなる


クーン…-
ベッドが沈み子犬の鳴き声がした



「ムー、どうしたらいい?」


豆柴のムク。お父さんが助けた子犬の子どもだ。
この子の母親は先月、死んでしまった…
ムクとムクの兄弟であるフーの2匹はうちが、
他の兄弟は父親の飼い主が引き取った


「ムク、フーは?」


“ワン”とひと鳴きして後ろを振り返った。
ベッドと壁の間に小さな鼻が見えている


「そこか…」


近づいて覗き込んでみる


「…うひゃー、何このかわいいの!!」

伸びて寝ている茶色の塊
小さな塊を持ち上げ枕の横に下ろした


「ほんとにフーは寝てばっかだな」

その隣に自分も寝てぎゅっと抱きしめる



「ムクもおいで」


ポンポンと布団をたたいてみる
呼ばれたムクは嬉しそうにトコトコと歩いてフーの横にごろんと寝ころんだ

ムクムクなのとふわふわなのが横に並んで寝ているというよだれもののこの状況…

かわいすぎて食べちゃいたいくらいだ


「2人とも連れて行って大丈夫かな…」



全寮制だからムリだよね、、、
ん~…でも、2人にあえないのは精神的にわたしが辛い

「お母さんに相談だね」

かわいい2人の間に顔を埋めていると気づいたら寝てしまっていた


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