桜琳学園(仮)


車が動き出して30分ぐらい経ったころ
後部座席ではムクとフーが寝てしまっていた

車内でガンガンにかかっている音楽を口ずさんでいると
今まで黙っていたお母さんがこっちをチラチラと見だした

少し気になっていたものの、無視していたのだが


「レイ、ごめんね?」

突然謝ってきた
何か言いたそうではあると思っていたが、まさか謝られるとは…


「何に対しての謝罪だい?」


少しは話しやすくなるかな…とおどけて言ってみたのだが、



「いろんなこと。
おじいちゃんのこととか、
学校のこととか…
全部何の相談もなく決めちゃったから…」



正直、 びっくりした

まさか気にしていたなんて、
特に学校のことなんて悪いとも思っていないものだと…



「お母さんはどうしたい?」



謝罪に関しての答えは返さず、逆に質問してみた…
が、その問いの真意がわからないのか、困惑した表情をしている



「これから3年間はさ、私、寮暮らしでしょ?
お母さんがおじいちゃんのところに戻りたいっていうなら戻ってもいんだよ?
ま、私はそこに行かないけどね」



しんみりしないように、お母さんが深く考えてしまはないように
最後は笑顔で言ってみた



「れい…ばかね、
あなたが行きたくないのなら、私だって行かないわ」



…おっと、私が受け入れないとお母さん一人になっちゃう感じ?


「って言っても、
自分に嘘ついて…私に遠慮して
無理やり納得なんてしないでね?
私だって、今までおじいちゃんのことレイに話さなかったし、それは私の我儘だったんだしね」



ん?心読まれちゃった感じ?


「あんたがわかりやすすぎなの
顔見なくてもわかるくらいね」


あちゃー、そんなにわかりやすいっすか、私


「ま、ゆっくり考えてくれたらそれでいいのよ…
まだもう少しかかるから、寝ときなさい?
着いたら起こしてあげるから」



いやー、悪いね
さっきから
こう、まぶたがさ、
仲良しこよしなんだよ…

んじゃ、遠慮なく寝させてもらうとするよ、

おやすみー









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