桜琳学園(仮)
流石に“ソラ”に乗ったままで人に喧嘩売るなんて無謀にもほどがあるしね
にこっと微笑んだ私に“まぁ、いいや”と言って今度は本当に持ち上げ車の後部座席に乗せた
「ありがうございます
フー、ムーおいで」
ポンポンと自分の膝を叩いて呼んだ
先に助走をつけてジャンプしたのは、フー
うまい具合に膝に乗り、じっとしてるフーを両手で持ち上げムーの着地地点を作る
開いた膝にムーが飛び乗り、ゴロンと寝ころんだ
「ドア閉めますね」
言い終わって一呼吸おいた後扉が閉めれ、助手席に大山先輩が座った
ガチャガチャと外で音がしているところをみると“ソラ”を車に積んでくれているらしい
運転手さんかな…
膝のうえでくつろいでいるムーを片手で少し持ち上げフーも膝の上に降ろし伏せさせた
バタンと音がしたと思ったらすぐに車が走出す
流れ作業というか、スムーズというか、全く無駄のない動きを見せた運転手を気がつけばじーっと注視してしまっていた
自分のそんな行動に気付いたのは、助手席からの小さな笑い声のおかげだ
「クク…っごめんね、あまりにも君がガン見しているもんだから」
彼の困惑している顔が面白くて…と、
運転手をちらっと見た
「あ…ごめんなさい、
あまりにも動きに無駄がないように見えたから」
正直に自分の気持ちを伝え、運転手さんは何もおかしくないのだということを伝える
「まぁ、これが彼の仕事だからね
それにしても重くない?2匹も乗せていて」
フーとムーの頭を撫でている私を振り返り
大山先輩が聞いてきた