クールで無愛想な彼氏
「裕太?あの2人ってさ...玲美と隼じゃない?」


「まじで?」


「絶対そうだよ!」


前には私たちと同じく手を繫ぎ


2人仲良く通学するカップル。


女の子のまわりにはたくさんの男子がいるからきっと...


玲美のファンだな。


隼は玲美がファンの男の子達にちやほやされるのを


すごく嫌がっているらしい....



「行ってみるか!」

「うんっ」


そして私は裕太と手を繫いだまま走り2人の肩に


後ろからばっと手を置いた。


「うわぁああ!んだよ!!?...裕太とみおりんじゃん!!」


「未央ちゃんと裕ちゃん~おはよぉう-」


玲美の「おはよう」が「おはよぉう-」になったのは


私に勢いよく抱きついたから。


「2人仲良く登校ですか~うはは-」


隼はそういい裕太の肩をポンっと叩いた。


「お前らもだろ」


「ふっまぁね-行くぞっ玲美」


「あわっ!隼ちょっと~っ未央ちゃんあとでね~!!!」


「あっうん!」


すると玲美は隼に連れて行かれた。


「俺らも行くか?」

「うんっ」



そして私たちは再び手を繫ぎ歩き出した。



『ガラ』


教室のドアを開けると一瞬クラスメイトが私たちを見たけど


いつもどおり普通になった。


夏休み明け初日は2人でいる時間がないってくらい


2人とも人に囲まれて質問ラッシュだったけど



今はもう慣れているみたいです。



そんな様子に安心し私たちは目を合わせて微笑んだ。


川ちゃんいわく今の席はカップルが隣の確率が高いから

席替えの予定はないらしい。

実は私たちのほかにも...もちろん隼と玲美。


それからあと3組がカップルで隣なのだ。




「席に着け~」



いつもどおり川ちゃんが時間ぎりぎりに入ってくると


黒板になにやら書き始めた。
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