お嬢様の恋愛事情



「うぜぇーし、バーカ!」



竜貴は高橋君に喧嘩腰で文句を言ったので慌てて引き止めた。



こんな所で喧嘩になったりしたら大変だよ。



「じゃっ・・・春陽ちゃん。またね」



涼しげな顔で手をヒラヒラさせ帰って行く高橋君を見て腰が抜けた。



呼び出したのってコレだけ?!



前に立っている竜貴をチラッと見ると目が合った。


なんとなく気まずい雰囲気になり竜貴はその場に、しゃがみこんだ。



「・・・竜貴、ありがとう」



気まずい雰囲気を破るために発した言葉。何でか言うのに、とても照れた。



「うん。」



素っ気ない返事をして竜貴は顔を下に向けた。だから表情はわからなかったんだ。



本気に高橋くんにキスされなくて、よかった。



ありがとう、竜貴。



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