お嬢様の恋愛事情



「もっと積極的にならないと恋愛って進まないんじゃないの?」



グサッと胸に突き刺さる麻美の言葉。麻美の発言があまりにも正論で、まさにその通りで私には酷く突き刺さったんだ。悪い意味じゃなくて良い意味でね。



そんな良い台詞を言った麻美は、いつものようにニヤリと怪しい笑みを浮かべる。



「何言ってるの、春陽?キスぐらい、自分でかませ!」



自分で・・・?
それって私から竜貴にキスをするって事だよね?


そんなの絶対無理だよ。恥ずかしくて死ぬかもしれない。



「無理だよぉ・・・」



そんな弱音を吐くと麻美は私の肩がバシッと叩いて、悪戯っ子のような笑顔をした。



「春陽・・・放課後、麻美様がセッティングしてあげる!」



麻美は嬉しそうに言うと走って教室から出て行った。その足の早さには敵う訳なくて、気づけば麻美の姿が見えなくなった。



「麻美!」



そんな私の空しい声だけが響き渡った。






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