お嬢様の恋愛事情
「竜貴、充電が・・・」
「え?あ・・・充電ないじゃん!」
明るい画面に映し出された「充電がありません」の悲しい文字。虚しく鳴り響く携帯の機械音。その音が、よりいっそう悲しさを増す。
「竜貴どうする・・・?」
なんとなく竜貴の顔が見れなかった。だって竜貴、怒ってそうだもん。
こうなったのは麻美のせいだけど、私も竜貴に嘘を付いて教室に残ってたんだから悪いよね。
麻美の言う事なんて聞かずに帰っていれば良かった。麻美・・・このままドアを開けてくれないのかな・・・。
「このままでいるしかないね・・・」
竜貴が呟いた。小さな小さな声で。