お嬢様の恋愛事情
2人共、何も話さなくなった。耳に入ってくるのは外で部活動をしている生徒の声。そして教室にある時計の針の音。
そんな事が竜貴と2人きり・・・を強調させる。
何もしてないのに早くなる心臓。竜貴と2人って思うと顔が熱くなる。何回か2人きりになった事はあるけど、まだ慣れていない。
竜貴も、そうなのかな・・・?
横に座っている竜貴を見ると、いつもと変わらず平然としていた。
私だけ意識してるみたいで悲しくなったりもした。竜貴は・・・2人きりでも平気なんだね。私は、こんなにドキドキしてるのに。
「春陽・・・あんま見ないで。」
「え・・・ゴメン。」
気がつくと私は竜貴に見とれていた。でも竜貴から「見ないで」と言われると私の胸がズキンと痛んだ。