お嬢様の恋愛事情
「何で謝るの・・・?」



私、竜貴の悲しい顔や声は見たくもないし聞きたくもないんだよ。



「だって春陽、泣きそうだから・・・。」



竜貴は気づいてたんだね。何でもお見通しだ。私から見ると竜貴はエスパーだよ。



「大丈夫だよ・・・私、強いって言ったでしょ?」



そう言って笑って見せた。泣かないって決めたんだ。こんな事で泣いてたら、竜貴が困っちゃうよね。



「春陽」



竜貴が私の名前を優しく呼んだ。その瞬間、座っていた私に竜貴がギュッと抱きついてきた。竜貴に優しく包み込まれる。



「俺は春陽の事、大好きだから。」



顔は見えないけど竜貴は顔が赤いよね?
だって耳が真っ赤だよ。私だって顔が熱いんだ。
お互い、まだ恥ずかしくて・・・でも確かに愛はある。



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