お嬢様の恋愛事情


そっと拾って紙を見た。丁寧に折られた紙は手紙のようだった。



紙を開くと何行かピンクのペンで文字が書かれてあった。




「何て書いてあるの?」



「これ、麻美だよ・・・。」



「春陽、良いもの見せてもらいました。もうアツアツカップルだね。お幸せに・・・って、あいつか?!」



そう、竜貴が読んだように紙には麻美から私宛への手紙が書かれてあったんだ。



ドアを開かないようにしたのも麻美の仕業。
それに麻美に全部、見られてたんだ・・・。


「ドアが開かなかったのはアイツのせいだったんだ・・・。」



「竜貴、ゴメンね・・・。私、本当はわかってたんだ。」



「何となく気づいてたよ。それにアイツのおかげで色々な事ができたしな?」



なんて竜貴が悪戯っ子みたいな笑顔をして言うからドキッとした。


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