お嬢様の恋愛事情
キーンコーンカーンコーン―


目の前の学校からチャイムの音が響き渡る。

私は学校の大きな時計を見つめ、荒い呼吸を整えた。


「疲れた・・・。」


自分なりの全力疾走で走ったけれど、あと1歩の所で学校には間に合わなかった。


また遅刻してしまった・・・。
翔、本当にごめんなさい!


『如月ー!遅刻だぞ!早く教室に行け!』


外に出ていた生徒指導の怖い男の先生が荒々しい口調で私に怒鳴る。


「すぐ行きます!」


そう言って、走って先生の前から逃げ去った。

そして下駄箱で急いで靴を履き替え、他の教室の邪魔にならないように、できるだけ静かに早歩きで自分の教室へと向かった。

生徒指導の先生には怒られたけど、教室に行ったら担任の先生からもっと怒られるんだろうな。
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