お嬢様の恋愛事情



「麻美ー!」



走ってベンチに向かう私を見て麻美は立ち上がり笑いながら手を大きく振ってくれた。



「ごめん、遅れた?」



まるで決まり文句のように口から出た言葉は、あまりにも待ち合わせの時にはありがちな台詞。



「全然大丈夫だから」と、麻美もありがちな答え方だ。



そして私達は歩き出し子供がたくさんいる明るい公園から出た。



「ちょっと店に寄って良い?」



麻美は何だか凄く楽しそう。笑顔も女の私から見ても可愛いと思ってしまう。



「うん!どんな店?」



「そこの雑貨屋!」



そう言って麻美が指差す店は可愛らしくて女の子って感じの雑貨屋さんだった。



「可愛い店だね。行こ!」



前の雑貨屋さんへと歩き出す。



< 66 / 340 >

この作品をシェア

pagetop