僕が恋した・・・
『本当ありがとう、光也』ぼくは、泣きながらも光也に言った。
「おいおい!男がそんなに泣くもんじゃないぞ。」
光也のマンションに向かい歩きながら、光也はぼくの肩を優しく叩き元気付けようとしてくれた。
「ところで健斗は誰を捜してるんだ??」
光也の率直な質問に、少しびっくりした。
もう隠しことはしないようにしたいそう思いぼくは今までの話しを全て光也に話した。光也は、
「そうだったのかぁ。お前は馬鹿だろ」
と光也に言われてしまった。
『でも、アイドルに恋ってしちゃいけないのかなぁ』と必死に訴えてみた。
「それも、そうだけど本当に諦めないといけない時もあるだろ。」
前から素直に自分の思ったことを言える光也の言葉に少し悲しくなった。
『でも・・・。』
少し、沈黙が続いた。先に口を開いたのは光也だった「俺、自分のラジオ番組持ってるんだよね。それに、俺の親友ってさことで出て見ないか。」
おもむろに出た光也の言葉にぼくは少しの希望を持てた気がした。
「ここが俺のマンション汚い部屋だけど自由に使ってくれ。さっきの話しは決心が付いたら言ってくれ。」光也の言葉は心に響いた。光也のマンションの前で、ぼくは、
『なぁ光也。さっきのラジオ番組に出る話し俺出たい。』
「わかった。明日からプロデューサに頼んでみるから。」
ぼくは今、アイドルと付き合えなくてもいい気持ちを伝えるだけでも十分だとそう思った。
『本当にありがとう。ありがとう』
ありがとうしか言葉に出来なかった。
「高校の時から女の子を好きにならなかったお前は、いつから人を好きになるようになったんだよ。」
気まずい空気から、楽しい雰囲気に変わって行った。
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