三角関係~あたし×イケメン双子!?~
「未来。昨日メール何で返信してくれなかったんだよ!!」
智也と付き合い始めて1週間。
智也は毎日のようにメールをしてくるようになった。
最初の内はこまめに返信をしていたけど…
中3で受験を控えたあたしにとって、それは少し重過ぎた。
そして昨日メールを無視してしまったんだ。
「ごめん…あたし達中3だし受験勉強もあるしさ、こまめにメールなんて打てない」
「何言ってんだよ。俺の彼女だろ??だったら俺の言う事は全部聞け」
「そんなっ、無理」
「無理なら言いふらそっかな。荻原未来は二股かけて俺をふった最低な女だってな」
「何言ってんの…そんな冗談通用する訳無い」
「どうかな??未来女友達少ないだろ??それって未来が男にモテるから嫉妬されてるんじゃねぇの??」
「それは…」
「だから女に広めれば冗談でも通用すると思うけど。それでもいいの??」
酷い…こんな脅しみたいな事。
でもあたしには逆らえる勇気なんて無かった。
だってそんな事言われたら、虐められそうで…。
だからあたしはこう答えるしか無かった。
「…分かった。何でも聞く」
「やっぱ、そういうと思った。じゃあ…今日俺ん家来るよな??」
少し嫌な予感がしたけど…逆らえなかった。
「分かった」
―そして。
帰りのSTが終わり、室長の声が響く。
「さようなら」
それを合図にみんなはゾロゾロと教室を出ていく。
「未来、一緒に帰ろ??」
当時、同じクラスだった麻美が言った。
麻美は中学の頃の私に仲良くしてくれる唯一の友達だった。
「ごめんね…今日智也との用事があって」
「そうなんだ。じゃあ…また明日ね」
「うん。バイバイ」
あたしは麻美と別れた後、言われた通りに智也の家に行った。
「よく来たな未来。まぁ適当に上がって」
「うん」
中に入って、中を見回すけど智也以外の人の気配は無い。
「お母さんとかは居ないの??」
「仕事で居ないよ。だから今、二人っきり」
嘘でしょ…二人っきりなんて聞いてない。
「やっぱ私、帰る」
あたしが帰ろうとした瞬間に手を掴まれた。
「待てよ。簡単に帰れると思ってんの??」