記憶の向こう側




毛並みは艶やかで白くて、目が丸くて、くりくりとかわいい視線は、私をとらえて放さないようだった。




私は…その子犬に見覚えがある気がした。





「…コロ?」





そう口にした途端、自分自身がびっくりした。






コロ??





なんでこの犬を見て「コロ」って思ったんだろう?




初めて見た犬のはずなのに…。





子犬は、私の元から離れない。




よほど居心地がいいみたいだった。




だけどよく見ると、この犬には赤い首輪が付いている。




誰かの飼い犬みたい…。





< 114 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop