記憶の向こう側




日も落ちかかったので、私は家に帰ることにした。




さっき降りた駅から、反対方向の電車に乗った。




朝よりは少し人は多かったけど、椅子に座ることはできた。




電車から見える景色は、夕日のオレンジに染まって、朝とは違う雰囲気を醸し出していた。






「あ…、一番星。」




聞き慣れた駅名が聞こえて電車を降りると、闇に包まれそうな空に、一つの星が光っていた。





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