記憶の向こう側





島川先生の目は優しかった。




もう定期的に病院に来なくて良くなったけど、私には島川先生が第二のお父さんのように見えて、また来ようと思った。





診察室を出て、会計所に行こうとした時。




不意に知らない男の人と目が合った。





その瞬間。





「き…、杏子…?杏子だろ?」




彼は驚きながら、確かに私に向かってそう言った。




彼はどんどん私に近付いてくる。





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