記憶の向こう側
窓の外からは、私の見たくない光景が見えるはず。
アイツと、その彼女のラブラブシーン…。
私の予想通りの場面を見たらしい絵里奈は、分かりやすく目を見開いた。
「あれ?山下くんじゃん。しかも一緒にいるの、次期生徒会副会長狙いの楢川麻優(ならかわ・まゆ)!」
「楢川…?」
「え…?まさか杏子、知らないの?1年にして文化祭のミスコンで優勝してたじゃん!彼女狙いの男子、かなりいるよ。3年とか、この前入学してきた男子達も…」
何故か絵里奈は、興奮しながら私に楢川さんのことを説明してくれた。
「そうなの?」
敬太…
いつの間にそんなスゴイ人をモノにしてたんだろ?