記憶の向こう側



「………。」




私は黙り込んでしまった。




名前が思い出せない。



自分の名前なのに…。






「どうされました?お名前は…?」




看護師さんが不思議そうな顔をして、もう一度私に尋ねてきた。





頭の中が真っ白だった。




何か言わなきゃ…と思っても、口が上手く動かない。





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