記憶の向こう側







それから数日経った夜。




コンコン。




突然私の部屋の窓が叩かれる音が聞こえた。




何だろう…?




私は恐る恐る窓を小さく開けた。




すると…




「敬太…。」




敬太が家の前から、小さな石を窓にぶつけていたようだった。




「杏子!ごめん、遅くなって…。迎えにきた。」



「え…?」




迎えに…って、


でもお父さんを説得できたの?




「二人で、誰も知らない所で暮らそう。」




それって…



駆け落ち!?




「敬太…。」






< 335 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop