記憶の向こう側
――翌日。
「みんなに集まってもらって…、ごめんね。」
私は敬太、勇樹、梓さん、そして島川先生を自分の病室に呼んだ。
「ケガしてて、動けないんだ。当然だろ?」
緊迫した空気が流れる中、勇樹が優しい口調でそう言った。
「うん…。私ね、敬太と勇樹、どっちも真剣に好きだから、悩んだ。二人同時についていくことはできないから…。」
私が話し始めて、更に空気がピリピリしたように感じた。
この場にいる4人は、私の声に集中している。