記憶の向こう側




確かに、掃除に移って体力的にきつくなった。




だけど、仕事している時は何も考えなくてよかった。



少しでも立ち止まると、あの嫌な場面が頭をよぎる。





だから…、私はどんなにきつくても、必死に働いていた。






なのに…。





もちろん、女将さんの好意は嬉しいけど、正直少し困っていた。




でも、ここでじっとしていても、更に大げさに見送りされるだけだ…と思い、私はとぼとぼと歩き始めた。





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