素直になりたくて【完結】
女の子は下を向いてしばらくして私たちと反対方向に走っていってしまった。
「あーよかった」耀太はホッとしたようにため息をついてこちらに歩いてきた。
「私たち帰る約束なんかしてたっけ?」ほら、嬉しいのにまた冷たくあしらってしまう。
「してねーけど。俺、告白とかああいうのん苦手なんだって。」右手に持っている水筒のお茶を飲む耀太。
「だからって私たちを盾に使うのやめてよ」
「美優っ」光が苦笑いしながら私の肩に手を掛ける。
「は?そこまで言わなくていいだろ」耀太も負けじと言い返してくる。それが腹立つ。
「ムカつく」頬を少し膨らましながら耀太を睨む。