squall
私がいまこんなにも佐野のことを考えてるのは。

惣一の、惣一との為。

でも…。


―ドクン、ドクン…


この動揺は、やっぱり違う気もして…。


「違う、違う」


口にしてみるけど。

佳世と佐野サンのこと。

その複雑な気持ちにも、説明がつく。

相手が佐野サンじゃなければ。
佐野サンが、佐野と兄弟なんかじゃなければ。

私の気持ちはまったく違っていた。
ほんとに。
佳世を応援できてた。

だけど…。


「違うって…!」


そう。
違わなきゃいけない。


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