squall
「仕事中、だよね?」
「あ、はい。ちょっと上司に頼まれて…。佐野サンは…」
「俺は、得意先と打ち合わせしてきたとこ」
「そう、なんですか」


どうも。
私は不意打ちに弱いらしい…。


「すごい。偶然、ですね」


ここ最近、ずっと佐野のことを考えていたせいか。
なんだかやけに緊張してしまって。


「あー、うん。ほんと」


そんな私が、ほんとは何気におかしかったんだろう。

頷きながら、佐野サンが若干、笑いをこらえてるのがわかって。


「っていうか。なんか、緊張してる?」
「………はい」


私は若干、ためらいつつも。
素直に『はい』と、返事をした。


「そういうタイプじゃないって、惣一さんから聞いてたんだけど…。タイミング的に気まずかったかな」
「えっ?」

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