squall
そしてもう1つ。


「早く。俺だけのものにならないかな…」
「俺だけって…?」


惣一は、なにかを感じていたのかもしれない。


「んー…。そのままの、意味…?」
「早く、望月 萌にってこと?」


惣一がそんな事を口にしたのは、それが初めてで。

その時は、何も思わなかったけど。


「早く、来年になって。こうして隣に、ずっといて欲しい…ってことかな」


その時の惣一は、いつもと違う表情(カオ)で微笑んでいたようにも思える。

でも……。


「夢から覚めても。こうして隣に。俺の腕の中に…」
「…夢…?」


瞬間。
とっさに頭に浮かんだのは、朝みた夢。

佐野のこと…。


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