ｓｑｕａｌｌ

｢や。別に萌ちゃんが謝る必要ないし。弟が同級生っていうのも微妙だったんじゃないかな。萌ちゃんも、かなりびっくりしてたみたいだし｣
｢…えっ？｣


ドキッとした。


｢まさかって思うよなぁ｣
｢あ、そう、ですね…｣


一瞬、気持ちを見透かされたような気がして…。


｢世の中、狭いよね｣
｢…はい｣


それだけ。
佐野を意識してる証拠だ…。
あれだけで、気づかれるわけがない。

けど…。


｢最近。仕事、忙しいんですね｣
｢あぁ、うん｣


佐野に繋がるような話は避けたくて…。

惣一とも。
佐野とも、近い人…。


｢会えなくて寂しい感じ？｣
｢そうですねー…。ちょっと｣


私は話題をそらした。