squall
「着替えてくる」
「あ、うん…」


見てないようで。
ほんの些細なことにも、気づいてくれる。


「っていうか…!お風呂は!」
「寝る前に入る」


それに比べて。


「じゃあ、ゴハン、用意するね」
「んー」


やっぱり私は、佳世に言われた通り。
無頓着、だったんだろう。


「…珍しいね。先にゴハンて」
「あぁ…。最近、会社でメシ食って、帰ってきて寝る前に風呂入って…ってしてたら、ぐっすり眠れることに気づいて」
「そんなに忙しかったんだ…」
「帰ってきたらメシとか面倒だから、会社で食ってただけだよ」
「そうなんだ…」


その間。
佐野のことばかりに囚われてたことに、胸が痛んだ。
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