squall
惣一は、そっと私から手を離すと、いつものように優しく私をみつめて。


「初めて。泣かせちゃったな…」


苦笑いを浮かべると。


「ご両親には。改めて、またちゃんと挨拶に行くから…」


静かに言った。


「…えっ…?」


それは。


「挨拶って…」
「…式場は。俺がキャンセルしとくから」
「キャンセルって…!」


もう、終わり、…という意味で。

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