squall
怖くて、不安で。
惣一を失いたくないと、日々、思ってるくせに。

夢に出てくるのはいつも佐野で。
そこに惣一が出てくることはなかった。

会いたくて。
こんなに声が聴けないのも、連絡がないのも。
つき合ってから初めてのことで。

私はひとりの過ごし方を、すっかり忘れてしまっていたし。

ひとりでいると、後悔ばかりが込み上げてきた。

ただひとり、幸せなんだと勘違いして。
惣一の苦しみを、見抜けなかったこと。

その優しさに、甘えることしかしなかったこと…。

数えれば、きりがない程。

後悔は、止めどなく溢れてきた。

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