squall
もちろん、佳世にも言った通り。
引きずってるわけじゃない。

夢を見た時に思い出すくらいで。
佐野のことを考えたりすることだって、ない。

中学を卒業してから。
10年も経ってる。


「…なんだかなぁ…」


惣一の隣で、目覚めた朝。


「……ん…」


思ってたより、声が大きかったのか。


「…なに?」


惣一が、まだ眠そうな目を細める。


「あ、ごめん。独り言。起こしちゃった…?」


今日は土曜日。
まだゆっくり、寝かせてあげるつもりだったんだけど…。


「んー…。いや…」


よりによって、中学の頃、まんまの夢…。


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