squall
「降りてみる?」
「歩けるの?」
「真っ暗…って感じでもないから。今日は月も出てるし。すぐ目も慣れるよ」
「…ん」
ここに来たのは初めてじゃないけど。
夜の砂浜。
「あっ。あんまり波打ち際いくと、見えなくて濡れるから」
「えっ?」
「こっち側、歩いて」
「あ、うん…」
やっぱり昼間とは、全然違っていて。
こんなふうに、女の子扱いされるのは、何だか気恥ずかしい気もした。
“佐野”に。
そう扱われることが…。
佐野にとって。
私はちゃんと、
【女】
なんだって…。
「歩けるの?」
「真っ暗…って感じでもないから。今日は月も出てるし。すぐ目も慣れるよ」
「…ん」
ここに来たのは初めてじゃないけど。
夜の砂浜。
「あっ。あんまり波打ち際いくと、見えなくて濡れるから」
「えっ?」
「こっち側、歩いて」
「あ、うん…」
やっぱり昼間とは、全然違っていて。
こんなふうに、女の子扱いされるのは、何だか気恥ずかしい気もした。
“佐野”に。
そう扱われることが…。
佐野にとって。
私はちゃんと、
【女】
なんだって…。