squall
「まだ式まで時間あるし。来週、また違うとこ行ってみるか?」
「あぁ~、うん。っていうか。惣一のもね」
「俺?俺は萌が決めてからでいいよ。結婚式の主役は女って。昔から決まってるし」


惣一が、優しく微笑む。


「…今日も。泊まっていこうかな…」


ふと。
昔の、あまり幸せじゃなかった恋愛を思い出して、感傷的になってしまったのかもしれない。


「いいよ。ってか。俺は今日も、帰すつもりなかったけど」


人は。
幸せ過ぎると、怖くなる時がある。


惣一は。
私のどこを、愛してくれてるんだろう…?


「じゃあ。ごはん作るね」
「よろしく」


昔は。
誰かとつき合ってても、そんなふうに思ったことなんてなかった。

告白されて、なんとなくつき合って…。
けど、


―想われてる


実感も、なかったからかもしれない。


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